今更ながら「ギルティ炭酸 NOPE」に向き合う
世の中には「万人受け」を捨てた飲料がある。
サントリーの「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」
ネット上では賛否が分かれているが、実際に一人の唎酒師として向き合ってみると、そこには計算された「ジャンクな快感」が見え隠れしていた。
記憶の底にある「フルーツガム」の正体

外観(見た目) 派手なパッケージを裏切らない、エネルギッシュな色彩。
香り(アロマ) プルタブを開けた瞬間に広がる、どこか懐かしい香り。そう、子供の頃に噛んだ「あのフルーツガム」だ。人工的だが、それがかえって食欲(飲用欲)を刺激する。
味わい(フレーバー) 「めちゃくちゃ美味しい」という言葉は、この飲料には似合わないかもしれない。しかし、疲れた時に体が求める「強い甘み」と「強炭酸」のバランスが絶妙だ。後味に残る少し独特のクセが、次の一口を誘ってしまう。
なぜ「クセになる」のか?嗜好品としてのNOPE
「不味くはないが、めちゃくちゃ美味いわけでもない。でも、また手が伸びる」
唎酒師として感じるのは、この飲料が「味の深み」ではなく「感覚の刺激」に特化している点だ。繊細なペアリングを楽しむ日本酒とは対極にある、いわば「脳をリセットするための強炭酸」。
仕事で疲れ果てた夕暮れ時、思考を停止して一気に飲み干す。そんなシーンに、このクセの強さがピタリとハマる。
「NOPE」を最大限に楽しむためのギルティな作法
「一度ハマると、無性に欲しくなるタイミングがある。まとめ買いしておかないと、その衝動は抑えられないかもしれない。」
これは、大人のための「合法的な逃避」
NOPEは、万人に愛される王道ではない。
しかし、疲れた現代人が求める「クセ」と「刺激」を的確に突いている。
おわりに
正直、唎酒師として「この繊細な香りが……」なんて語る隙は、このNOPEには1ミリもない。 でも、それでいいんだと思う。
複雑なペアリングを考え抜く時間も大切だが、何も考えずに喉に流し込む「正解」だって、きっとあるから。 疲れ果てた夜、冷蔵庫の奥でこいつが冷えている。 それだけで、明日の自分を少しだけ許せるような気がする。
それではまた!


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