※本記事は立山酒造公式Xおよび報道内容をもとに執筆しています。
日本酒を炭酸で割る。
そう聞くと「邪道では?」と感じる人もいるかもしれません。
実際、日本酒は冷酒や燗酒で楽しむイメージが強く、炭酸割りはまだ一般的とは言えません。
しかし、日本酒を炭酸で割る「酒ハイ(日本酒ハイボール)」そのものは以前から存在しており、日本酒業界でも普及活動が行われています。
そんな中、富山県の立山酒造が発表した新商品「タテヤマサンダー」が気になりました。
なぜなら、この商品は単なる日本酒ではなく、
「炭酸で割ることを前提に造られた日本酒」
だからです。
きっかけは立山酒造のこの投稿

最初にこの投稿を見た時は正直驚きました。
酒ハイ自体は知っていましたが、「炭酸割り専用日本酒」という発想は聞いたことがなかったからです。
タテヤマサンダーとは?炭酸割り専用日本酒の特徴
北國新聞によると、「タテヤマサンダー」は炭酸割り専用として開発された日本酒です。
一般的な日本酒は、そのまま飲むことを前提に造られています。
そのため炭酸で割ると、甘みや酸味が薄く感じられたり、香りが飛んでしまったりすることがあります。
そこで立山酒造は、通常の三段仕込みではなく四段仕込みを採用。
炭酸で割っても負けない甘みや酸味、そして味の濃さを実現したそうです。
商品名の「サンダー」も、立山と炭酸の爽快感を掛け合わせたネーミングとのこと。
飲料好きとしても、日本酒好きとしても気になる一本です。
なぜ今「炭酸割り専用日本酒」が登場したのか
今回の記事で特に印象的だったのは、日本酒市場の現状です。
2024年の日本酒出荷量は37万8千キロリットルで、1998年の113万3千キロリットルと比べると約3分の1に落ち込んでいる。
(北國新聞より)
もちろん海外輸出は好調です。
しかし国内市場だけを見ると、日本酒離れが進んでいるのも事実です。
だからこそ酒蔵も「日本酒をどう飲んでもらうか」を真剣に考える時代になったのでしょう。
タテヤマサンダーも、そんな挑戦のひとつなのかもしれません。
日本酒ハイボール(酒ハイ)は実は以前から存在する
今回のニュースを見て「日本酒を炭酸で割るなんて初めて聞いた」と思った人もいるかもしれません。
しかし実は、日本酒ハイボール、通称「酒ハイ」は以前から存在しています。
日本酒と炭酸水を合わせることで、アルコール度数を抑えながら爽快に楽しめる飲み方です。
近年は飲食店でも見かけるようになりました。
また、日本酒業界ではロックで飲むことを推奨する商品も増えています。
昔なら「邪道」と言われたかもしれない飲み方も、今では少しずつ受け入れられるようになりました。
ただ、これまでの酒ハイは「既存の日本酒を炭酸で割る」というスタイルでした。
一方のタテヤマサンダーは「炭酸で割ることを前提に造られた日本酒」です。
ここが大きな違いだと感じています。
唎酒師として思うこと
私は日本酒が好きですし、普段は冷酒や燗酒で楽しむことがほとんどです。
それでも、「日本酒はこう飲まなければならない」とは思っていません。
ワインにはサングリア、ウイスキーにはハイボール、ジンにはジントニックがあります。
多くのお酒は時代とともに飲み方を広げてきました。
もしタテヤマサンダーが「日本酒を飲まない人が最初に飲む一本」になれるなら、とても面白い存在になると思います。
まとめ
タテヤマサンダーは、日本酒を炭酸で割るために設計された珍しい商品です。
酒ハイそのものは以前から存在していましたが、最初から炭酸割り専用として造られた日本酒はあまり見かけません。
日本酒離れが進む中で「日本酒そのものを変える」のではなく、楽しみ方を広げる」という発想は非常に興味深く感じます。
実際に飲んでみないことには評価できませんが、日本酒業界の新しい挑戦として注目したい一本です。
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